2013年8月19日
変わることのない名門ホテルの風格「ラッフルズ・ホテル」
主は変われど姿は変わらず
2005年の米系ファンド会社による買収、さらに2010年にはカタール企業による買収と、1931年の破産も入れると3度オーナーが変わっているラッフルズ・ホテルですが、その姿形はほとんど変わっていません。
「1987年に国の記念建造物になっているので、外観や構造を変えることはできません」と、ダンカーさん。ラッフルズ・ホテルでは1988年から2年以上かけて大改修が行われ、その際に他の従業員は全員ホテルを離れることになりました。ダンカーさんだけは、ホテル内の設備の保守などを担当するエンジニアであったことから大改修プロジェクトに携わることに。1991年の営業再開後から今日まで、大改修前のホテルを知る唯一のスタッフです。
「大改修は1915年頃を基準とし、その頃のホテルの状態を再現することを目指して進められました。その後、家具やカーペットなどの新調や、空調設備のアップグレードなどは行われていますが、ホテルは常に同じ顔を保ち続けています。オーナーが誰であろうと、これからも変わらないことでしょう」。
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1 Beach Road, Singapore 189673
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.240(2013年08月19日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=Eugene Chan