2018年1月23日
シンガポール、中国人観光客、これまでのような増加は望み薄
中国人観光客は外国人入国者の20%近くを占めるなどシンガポールは中国人旅行者への依存を強めており、中国人観光客の一団をセントーサ島、マリーナ・ベイなどで目にするのは珍しいことではなくなった。しかし中国人の海外旅行嗜好も変わりつつあり、これまでのような観光客、観光支出の増加率維持は難しいようだ。
中国人が外国旅行で落とす金は世界で最も多く、世界観光機関(WTO)によれば、昨年は前年比19%の増加だった。
旅行熱はシンガポールにも朗報で、昨年1~10月の外国人入国者のうち中国人は20%近くを占めた。1~6月の観光支出でも中国人が首位で、約18%を占めた。
シンガポール政府観光局(STB)は中国からの旅客呼び込みを強化しており、主要都市以外の都市でも観光促進キャンペーンを展開している。
しかし先行きは不透明だ。旅行について研究する中国旅游研究院の戴斌長官は、外国に旅行する中国人の増加率は鈍ると予想している。
フィナンシャル・タイムズが昨年、中国人旅客を調査した結果によれば、中国人が外国でショッピング、特に腕時計、デジタル家電など高額品に費やす額は減少した。
個人旅行の増加で訪問先の好みも変わりつつある。国・地域別の訪問旅行者数でシンガポールは8位だったが、次回訪問したい国の上位に入らなかった。上位はいずれも欧州諸国。