2018年1月29日
シンガポール、労働市況が改善、被解雇者は6年ぶりの減少
人材開発省は26日、昨年の雇用統計(速報値)を発表した。解雇された者は1万4,340人で前年より4,800人ほど減少した。減少は6年ぶり。
経済の回復に伴い失業率も下半期に入り改善した。通年の国民労働者(15歳以上の、労働意欲のある国民)の失業率は3.3%(前年は3.1%)。外国人労働者を含めた全労働者の失業率は2.2%(同2.1%)だった。
四半期ごとの推移では年末にかけ改善し、12月時点の失業率は国民労働者が3%、全体では2.1%だった。一方で、求職者と求人側の技術のミスマッチが構造上の問題として引き続き存在するという。
居住者(国民と永住者)の労働力は2万1,300人(0.9%)増加した。サービス業で特に増えた。対照的に外国人労働者数は3万2,300人減少した。建設、海洋部門におけるワークパミット所持者の減少が主因。
賃金では、中間所得層の賃金上昇率が最も大きかった。6月時点のインフレを考慮した実質で、フルタイムで働く中所得層の賃金上昇率は5.3%だった。低所得層の賃金上昇も堅調で、下位20%の所得層の2012年から17年にかけての実質賃金上昇率は年4.3%(中所得層は3.9%)だった。