2018年7月20日
シンガポール水処理ハイフラックスの再建、進展ほとんどなし
資金難に苦しむ水処理大手ハイフラックスは7月19日、再建計画の進展状況を社債保有者に説明する会合を開いた。同社は6月、高等裁判所から経営再建のため6カ月間の猶予を与えられている。
説明にはオリビア・ラム最高経営責任者(CEO)が当たった。会合の合間に開いた記者会見でラム氏は「できるだけ早期に再建案を提出したいが、債権銀行だけで29行あり、交渉は容易ではない」と語った。
経営を圧迫しているのが発電所併設の淡水化プラントを運営するトゥアスプリングで、8者が買収に関心を示しているが、正式な交渉には至っていない。
原水の多くをマレーシアに依存しているシンガポールにとり、浄水技術、淡水化プラントを持つハイフラックスは戦略的に重要な企業で、トゥアスプリング買収を希望する企業は交渉に入る場合、公益事業庁(PUB)の承認を得る必要がある。
銀行からの貸付残高は18億4,000万Sドル(約1,514億円)。最大の債権者はメイバンクで、トゥアスプリング売却契約を10月15日までに締結するようハイフラックスに求めている。ラム氏は「電気料金が安い今、妥当な価格でのトゥアスプリング売却は困難」と述べた。みずほ銀行もハイフラックスに2億Sドル(約164億円)余りを貸し付けている。