2018年8月7日
シンガポール政府、社外取締役の任期を最長9年に制限
シンガポール金融管理庁(MAS)は上場企業の社外(独立)取締役の任期を最長9年に制限することを決めた。現在、上場企業659社のうち42.2%(278社)には、9年以上社外取締役を務めている者が1人以上おり、こうした会社は2022年までに新規則を順守しなければならない。また取締役会に占める社外取締役の割合を3分の1以上にしなければならない。
企業が9年を超えて社外取締役を任命する場合、株主総会で承認を得る必要があり、議決の際、取締役、最高経営責任者、同関係者は投票できない。総会で承認を得られなかった場合、社外取締役だった人物は通常の取締役に就任することはできる。
社外取締役は外部の視点から企業経営のチェック機能を果たす役割を持つ、独立性のある取締役。
9年ルールは企業統治委員会(CGC)が提案し、MASが受け入れた。CGCは、社外取締役を9年務めた者の独立性は損なわれている可能性があると説明した。
社外取締役の条件のうち、当該企業に対する持ち株比率が10%以下、との規定が、5%以下に厳格化された。
最も長期にわたる社外取締役の記録は59年。最近の例では1月に退任した人物が55年間、社外取締役だった。