2018年8月15日
クアラルンプール/シンガポール高速鉄道延期、正式に協議
クアラルンプールとシンガポール西部のジュロンを結ぶ高速鉄道(HSR)計画をめぐり、両国の担当閣僚が8月11日、初めて正式協議を持った。
ストレーツ・タイムズの取材に対し、マレーシアのモハメド・アズミン経済相は、シンガポールのコー・ブンワン運輸相(インフラ担当調整相)と正式な協議持ったことを明らかにした。アズミン氏は「マレーシアとしての立場を伝えた。コー大臣は協議内容を閣議で報告することになる」と語った。
マレーシア首相府の報道官は「事業は内容の精査が必要なため延期を希望する、というのがマレーシアの立場だ」と説明。アズミン氏が実施の延期を提案したことを示唆した。
マレーシアは総選挙を経てマハティール氏(92)を首班とする政府を樹立。首相就任後間もなく、マハティール氏はマレーシアが抱える巨額の負債を理由にHSRの取りやめを表明。しかし一方的に取りやめると罰金が生じることから、まずシンガポールと交渉すると態度を軟化。実施延期を模索する意向を示したが、シンガポールへの正式通知はなかった。シンガポールは既に2億5,000万Sドル(約201億円)をHSRに支出している。
シンガポール側はマレーシアに、マレーシアとしての意向を明確にするよう外交文書で要請していた。