2018年10月11日
ロシアのサイバーセキュリティー会社、シンガポールに世界本部
ロシアのサイバーセキュリティー会社、グループIBが年内にシンガポールに世界本部を開設する。東南アジア業務拡大のためで、知的財産もシンガポールに移管する。
創業者で最高経営責任者のイリヤ・サコフ氏は、面倒のない行政手続き、税制上の優遇措置など好ましい投資環境と、シンガポール政府がサイバーセキュリティーに力を入れていること、国家としての政治的中立性を拠点設置の理由として挙げた。
グループIBはサイバー犯罪調査、サイバー攻撃予防などのサービスを提供しており、3年前に東南アジアに参入した。顧客はタイのサイアム銀行、クルンタイ銀行、シンガポールに拠点を置く大手銀行のうち3行、シンガポール政府機関などで、社名非公開の約束があるため公表できない顧客もいる。
グループIBは昨年、国際刑事警察機構とデータ共有協定を交わした。脅威情報を互いに提供する。欧州刑事警察機構とは2015年にパートナー協定を交わした。世界経済フォーラム(WEF)の永久会員でもある。
シンガポールの大学と提携し、訓練ワークショップ、講義、サイバーセキュリティーラボなどを立ち上げ、人材を育成する。