2018年10月23日
欧州連合と自由貿易協定を締結、ASEAN調達部品の利用も可能
シンガポールと欧州連合(EU)は10月19日、自由貿易協定(FTA)を締結した。EUが東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とFTAを交わしたのは初めて。調印には、アジア欧州首脳会議のためブリュッセルを訪問したリー・シェンロン首相と、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長らが当たった。
貿易では、シンガポールからEU加盟国への輸出の84%は無関税になり、残りについても3~5年後には無関税になる。シンガポール製造品の一部原料、部品にシンガポール以外のASEAN加盟国のものが使用されていても、同様の優遇関税が適用される。
市場参入では、政府調達への参加が互いに容易になる。地方政府レベルでの調達への参加も認められる。技術面の障害削減では、電子機器、自動車・同部品、薬品、医療機器について、検査、認証取得の重複が削減される。
知的所有権では、相互に著作権が70年間保護される。シンガポールの放送会社はEUへのコンテンツ輸出でロイヤルティーを得ることができる。
英国のEU離脱問題についてリー首相はBBC英国放送との会見で、離脱後もEUとのFTAを英国に適用する用意があると表明した。シンガポールへの投資(2016年実績)でEUは最大市場。約1万のEU資本の企業がシンガポールで活動している。