2019年5月21日
上場企業306社の第1四半期決算、30%は赤字
シンガポール取引所(SGX)に上場している企業のうち306社が5月15日までに第1四半期(1~3月)決算を公表した。黒字会社は215社、赤字会社は30%に相当する91社だった。米中貿易摩擦の影響が少しずつ出ているもようだ。
同306社の純利益合計は前年同期より4%多い84億5,000万Sドル(約6,757億円)だった。KGI証券のジョエル・ン調査主任によると、メガバンク3行の利益が予想以上に大きかったことが全体の利益を押し上げた。銀行を除外すると純利益合計は前年同期並みになる。また10億Sドル(約800億円)以上の純利益を計上したのは3行だけだった。
黒字を計上した215社のうち減益は96社、増益は104社、赤字から黒字に転換が14社だった。赤字だった91社のうち、黒字から赤字に転落が31社、赤字拡大が31社、赤字縮小が29社だった。
KGIのン氏によると、購買担当者指数(PMI)の動きから推測されるように、警戒感から支出抑制の姿勢が企業にうかがえる。実際、売上高は全体として減少しているという。
第2四半期についてン氏は、米中貿易摩擦で物流、貨物など貿易関連業がこれまで以上に影響を受けると予想している。