2019年7月24日
6月のコアCPIが1.2%に低下、為替相場調整の可能性
統計局が発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比0.6%で、4カ月続いた加速傾向から鈍化に転じた。CPIから、自家用車所有にかかわる経費と住宅賃料を除いた、より生活実感に近いコアCPIの上昇率は1.2%と、2017年3月以来の低水準だった。
経済を取り巻く環境が不透明で先行き不安が広がるなか、エコノミストはシンガポール金融管理庁(MAS)は10月の金融政策会合で金融緩和を決めるとの観測を強めている。マレーシア系メイバンク・キム・エンのエコノミストは、MASはSドル為替相場を、緩やかなSドルの上昇を容認するとの方針から、Sドル相場を固定させる方針に変更すると予想している。
通産省とMASは共同声明で、雇用市場は安定しているが、賃金上昇は物価上昇を招くほどの水準にはならない、との予想を示した。
CPIの項目別の動きでは、娯楽・文化経費は1.8%、食品は1.4%、医療は1.1%、家財・サービスは1.1%、それぞれ上昇。通信は1.8%低下。住居費・公益費は0.8%の低下だった。電力市場の開放が公益費の低下につながった。