2018年9月14日
シンガポール、インドネシアと金融情報を交換へ、脱税を取り締まり
インドネシアとシンガポールは9月30日から、互いが持つ相手国市民の金融口座情報の交換を開始する。脱税の摘発、抑止が狙い。
経済開発協力機構(OECD)がイニシアチブをとった非居住者にかかわる金融口座情報の自動的交換のための報告制度(AEOI)に沿った措置で、インドネシア税務当局広報官のヘスツ・ヨガ・サクサマ氏は「インドネシアは直ちに情報交換を行う用意ができている」と語った。シンガポール財務省もインドネシアと金融口座情報の交換で合意したことを認めた。
AEOIは、加盟各国において非居住者の所得情報を収集し、その情報を非居住者が居住する国の税務当局に自動的に知らせる制度。インドネシア当局は市民がシンガポールに保有する未申告の資産の情報を、シンガポール当局は市民がインドネシアで保有する資産の情報を入手できる。
インドネシアの富裕層は海外の銀行に資産を隠していることで知られており、以前、罪に問わないことを条件に海外隠匿資産の申告を国民に奨励したところ、100万人が申告した。申告資産の合計は4,855兆ルピア(約36兆6,300億円)で、同国の国内総生産(GDP)の約40%という多さ。うち68.9%はシンガポールに隠匿されていた。
インドネシアはほかの国ともAEOIを交わしており、今後の金融情報交換で185兆ルピア(約1兆4,000億円)の海外隠匿資産が明らかになると予想している。