2018年10月19日
シンガポール・ハイフラックス再建、インドネシア財閥が資金注入
経営難に陥っている水処理大手、ハイフラックスの再建をめぐり、インドネシアの華人財閥サリム・グループとエネルギー大手のメドコ・グループが救済の手を差し伸べた。サリム・メドコは合弁のSMインベストメンツを通じ、ハイフラックスに4億Sドル(約325億8,900万円)の資本注入を行い、60%の株式を得る。別に1億3,000万Sドル(約106億円)を株主融資の形でハイフラックスに融通する。
支援は、ハイフラックスが債権者との交渉をまとめることが条件。銀行に対するハイフラックスの債務は18億4,000万Sドル(約1,500億円)。ほかに債券や優先証券の所有者がいる。
ハイフラックスは、発電部門子会社トゥアスプリングの赤字が経営の足を引っ張った。
ハイフラックスのオリビア・ラム最高経営責任者(CEO)とともに会見に臨んだサリムのアンソニー・サリム会長は「かねてからハイフラックスに関心があった。少なくともこの先数年、現CEOにリーダーシップを発揮してもらう」と語った。
メドコのアリフィン・パニグロ氏は「ハイフラックスをさらに成長させる。わが社はエネルギー、公益分野で実績がある」と語った。
SMインベストメンツのシダルトCEOは「多くの金融機関と緊密な関係にある。作戦がある」と債務処理に自信を示した。
ラム氏は交渉に際し、ハイフラックス経営でつまずいたことについてサリム氏から「心配は無用。インフルエンザにかかった程度のこと」と励ましの言葉をかけられたことを明らかにした。