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社会

2025年2月10日

猫を投げ落とし殺害した男に禁錮14カ月の判決

HDB(公営住宅)の高層階から猫を投げ落とし殺害した男に対し、シンガポールの裁判所は2月7日、禁錮14カ月の判決を下した。
 
被告のバリー・リン・ペンリ(32)は、1年8カ月にわたり計5匹の猫を虐待し、そのうち2匹を殺害、1匹に重傷を負わせた。検察はこの事件を「動物虐待の中でも極めて悪質なケース」と位置付けた。
 
2019年末ごろからリンは猫を蹴る行為を始め、その後、密閉袋に閉じ込めたり、高層階から落としたりするなど虐待をエスカレートさせた。彼は虐待の際に「興奮、スリル、罪悪感、安堵」を感じていたという。
 
2020年4月21日午前3時30分頃、リンはアンモキオ・アベニュー3のHDBブロック12階から猫を落とし、即死させた。その後、遺体を別の場所へ遺棄した。約1カ月後の5月15日には、同じ地区のHDB8階から別の猫を投げ落とした。猫は生存していたが、地上に降りたリンが首を踏みつけて殺害し、バス停近くのゴミ箱に捨てた。
 
事件の目撃者が通報し、リンは即日逮捕されたが、その後保釈された。2020年12月から2021年6月にかけて精神科治療を受け、症状は改善したが、同年12月に再犯。クリスマス後に再び猫を捕まえ、団地の壁に二度叩きつけるなどの暴力を加えた。猫は負傷したものの、逃走に成功した。
 
検察側は禁錮24カ月を求刑したが、裁判官は「やや過剰」と判断し、禁錮14カ月の判決を下した。また、リンは釈放後1年間、動物の飼育を禁止された。
 
国家公園管理局(NParks)によると、2019年から2024年の間に年間平均1,200件の動物虐待報告があったが、6%未満が虐待行為として認定された。悪質なケースでは起訴に至ることもある。
 
シンガポールでは動物虐待の初犯者に対し、最大18カ月の禁錮刑、最高1万5,000Sドルの罰金、またはその両方が科される。虐待行為の目撃者は、NParksのウェブサイトまたは専用ホットライン(1800-476-1600)で通報可能である。

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