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経済

2025年4月2日

UMC、シンガポールに最先端半導体工場を開設 700人の雇用創出へ

 台湾の半導体大手、UMC(聯華電子)は4月1日、シンガポールのパシリス地区に新たな半導体製造施設(ファブ)を開設した。今後数年で約700人の雇用を創出するとしており、UMCのシンガポールにおける事業拡大の大きな節目となる。
 
 この新施設には最大50億USドル(約6700億円)の投資が予定されており、第1フェーズでは月間3万枚のウエハー生産能力を目指す。量産開始は2026年を見込んでおり、これにより同社のシンガポールでの年間生産能力は100万枚を超える見通しだ。
 
 新工場は最新の22ナノメートルおよび28ナノメートルプロセスを採用し、スマートフォンの高性能ディスプレイやIoT、自動車向けの次世代半導体を製造する。UMC幹部によれば、AIや5Gの進展に伴い、より高度な半導体需要が加速していることが背景にあるという。
 
 UMCがシンガポールを選んだ理由については、政府の透明性・安定性に加え、地震など自然災害が少ない地理的利点が挙げられる。実際、台湾南部での地震被害を受け、安定稼働できる拠点の必要性が高まっていた。
 
 シンガポール経済開発庁は、同国が世界の半導体サプライチェーンの重要拠点であり、今後も研究開発と製造投資を積極的に誘致していく姿勢を示している。UMCの今回の拡張は、マイクロンやシルトロニックなど他社の大型投資とも相まって、シンガポールの半導体産業の国際的地位をさらに高めるものといえる。

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