2015年7月6日
「次の50年も進化し続ける」未来のコミュニケーションのカタチを生み出す企業
富士ゼロックスシンガポールCEO バート・ウォン(Bert Wong)氏
写真フイルムやレンズなどの製造販売を中心とした富士写真フイルム(現・富士フイルムホールディングス)と印刷機器の製造販売を行うイギリスのランク・ゼロックス(現・ゼロックス・リミテッド)が、1962年に日本での合併事業として始めた富士ゼロックス。3年後の1965年には、アジア圏でのサービスを拡張させるため「富士ゼロックスシンガポール(FujiXerox Singapore Pte. Ltd.)」を設立し、コピー機やレーザープリンターの販売促進のほか、紙文書の電子化やシステム管理化を浸透させ、社内業務の効率化に貢献してきた。設立から50周年を迎え、シンガポールの独立とともに歩んできた同社で現在CEOを務めるバート・ウォン氏に、これまでの歩みや成功の秘訣、今後の展望について伺った。
目次
― 富士ゼロックスシンガポールへの入社時期はいつですか? また、入社したいと思ったきっかけを教えてください。
1980年に入社したので、もう35年も勤めていることになります。入社したいと思ったのは、富士ゼロックスの企業紹介広告を見たのがきっかけでした。かっこいいデザインでインパクトが強く、「この会社で働けば自分の居場所が見つかる、面白いことが待っているに違いない!」と直感したのを覚えています。
― これまでの仕事の中で一番大変だったこと、うれしかったことは何ですか?
一番大変だったのは、2007年にCEOに就任した直後の時期です。2009年まではリーマンショックなどの影響で景気後退の真っ只中。特に2008年はどれだけ頑張っても大幅に業績が下がってしまったし、コストの削減も実行しなければなりませんでした。しかしそのような時期だからこそ、いろいろなことに挑戦するチャンスが訪れたのだと発想の転換をしました。そこで、人材や製品の開発への投資は惜しまないようにしたり、会社全体の運営方法を大きく変えたりした結果、後に利益を取り戻すことに成功。近年はカラー複合機の販売数が1位(IDC MarketScape調べ)、顧客満足度でもトップ(MarketProbe調べ)になったほか、「優秀な社長がいるアジアの企業(Asia’s Best Employer Brand)」や「優良な職場環境賞(Best Environmental Practices Award)」も受賞することができました。苦労はしたけれど、最後まであきらめずに会社全体を改革して成功を収められたことが一番うれしかったですね。
― 2007年にCEOに就任されてから現在に至るまで、会社を運営するにあたりこだわってきた部分はありますか?
とにかく、お客様と社員の声に耳を傾けることです。お客様が何をどういう風に考えているか、感じているかを十分に理解すること。私自身も会社や商品の概要を説明する時は、言いたいことが相手に必ず伝わるよう努めています。また、社員と私が常に繋がっていられるような職場環境づくりも大切です。各プロジェクトの目的をしっかりと共有して、社内全体の動きがはっきり伝わるよう心がけています。
― 富士ゼロックスシンガポールの強みを教えてください。
弊社は紙の印刷のみに留まらず、ビジネスシーンにおける作業の効率化を図り、コミュニケーションが円滑になるサービスも提供しているのが特徴です。例えば、書類を作成してクラウドサービス「SkyDeskCRM」上にアップデートすると、その内容が特定の社員全員に共有されます。いつでもその内容を確認でき、加えてスマートフォンなどのデバイス上でも閲覧できるよう設定すれば、さらに便利になりますよね。このように作業の効率が向上するシステムやコミュニケーション方法を、まとめて提供できるのが弊社の強みです。