2004年9月20日
一期一会の出会いを大切に
シンガポール国駐箚特命全権大使 小島高明大使
目次
着任されて、まずシンガポールの印象は如何でしょうか?
シンガポールへはこれまで何度か来ていますが、数年ぶりに来てみて、着任日に空港から市内に向かう車の中から街を眺めながら、なんと緑が多く、美しく整備された国だろうと改めて思いました。この街の景観は、この小さな国が、独立以来努力して確立した政治的安定、経済的繁栄をそのまま反映しているように思います。また、世界には人種や宗教が原因の紛争が多々見られますが、シンガポールでは独立当初の困難を克服し、さまざまな人種、宗教の人々が調和して生活しているという印象を持っています。
シンガポールの日本語メディアをご覧になってのご感想は?
当地の日本人の数は約2万人ときわめて多く、その多様なニーズに合わせ、内容、形態ともにさまざまな日本語メディアがあることに感心しています。このAsiaX(アジアエックス)のように無料で配布されるものも多く、また日本人がよく行く場所に置いてあるため、多くの人が気軽に手にできて便利だと思います。またその内容も、政治、経済ニュースからイベント情報や生活に密着した情報など役に立つ情報が盛りだくさんだと思います。
シンガポールに在住されている日本人の方々へメッセージを頂けますか?
皆様の安全な生活が確保され、事業活動が円滑に展開されるよう、引き続き大使館として最大限の取組みを行っていく決意ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
つい先日発生したジャカルタの豪州大使館前での爆弾テロ事件は、この地域でも引き続きテロに対する十分な警戒が必要であることを改めて明らかにしました。シンガポールは、比較的安全な国ではありますが、テロ発生の可能性を否定することはできません。皆様一人ひとり、気を緩めることなく、日々安全の確保に十分注意を払っていただくようお願いします。
生活、習慣、お仕事上などで心に残る失敗談があればお聞かせください。
失敗は数多くありますが、今後の教訓とするよう努める以外は、なるべく忘れるようにしています。
人生で自分自身の中で大きな方向転換を行うきっかけとなったこと、転機になったことはなんですか?
20年程前、三年間大蔵省で予算関係の仕事をした以外、一貫して外交に関する仕事に従事してきましたので、その意味では、大きな方向転換はなかったと思います。
余暇には何をしてらっしゃいますか? また自由な時間ができたら、何がしたいですか?
着任後まだ間もないこともあり、余暇といえる時間がまとまっては取れないのですが、合間を縫ってこの国のいろいろな所を見てみたいと思っています。
これまでの人生において念頭においてこられた座右の銘はありますか?
「一期一会」、公私ともに人との出会いを大切にしていきたいと考えています。
大使の大役を担っての抱負をお聞かせください。
シンガポールでは、先月12日にリー・シェンロン新政権が誕生しました。日本とシンガポールは、リー新政権との間でも、これまで日・シンガポール経済連携協定(JSEPA)などによって培われてきた緊密な関係をさらに強化すると共に、日・ASEAN関係、さらには東アジアの地域協力が発展するよう協力していく必要があると考えますが、その為に微力ながらできる限り尽くしたいと考えます。
更に、先ほど述べましたように、在留邦人の皆様が安全な生活を送っていただけるよう、また、事業活動を円滑に展開していただけるよう、最大限の取組みを行っていきたいと思います。
小島高明(こじま たかあき)
昭和22年生まれ。昭和46年外務省入省。在中華人民共和国参事官、在連合王国公使、在サンパウロ総領事、在米公使などを経て、平成14年国際情報局長、同16年在シンガポール国駐箚特命全権大使に就任。
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