2013年6月3日
情報は仕事の成果にレバレッジをかける
アジアエックス 231号(2013年4月1日発行)で「無知は怖い」というテーマでお伝えしましたが、今回も「情報」についてお伝えをしたいと思います。
みなさんにとって、本を読んだり、セミナーに参加したり、人と話したりして情報を得る目的は何ですか?
私は自分の人生や仕事の成果にレバレッジを掛けるためだと考えています。「人の成功体験や失敗体験を聞く」ということを考えると分かりやすいと思いますが、自分に起こりうる可能性のある出来事に対して、成功事例や失敗事例の情報を得るということは、実際そのような出来事が現実に訪れたときに適切な対応をしやすくするということです。
要するに、人があることで成功を収め、そのやり方の情報を得たことにより、自分はその成功をその人より何年も早く手に入れることができるということです。失敗体験も同じことです。
私は多くの会社様の売上向上のためのお手伝いをさせていただく中で、よく使う言葉があります。それは「その件に関して、どの会社をベンチマークしたの?」です。
何か新しいことをやろうとする中で、首をかしげながら、頭を抱えながら試行錯誤している時には、その件について既に上手くやっている会社があったら、見本にして独自のものを考えたりする方がよっぽど時間を短縮できますし、早く実行にこぎつけられます。もちろん、他社のやり方をそのまま使うのではなく、参考にして、自社なりに咀嚼をして取り入れる必要はあります。
もう15年以上前ですが、私が以前経営していた会社で、一時期「アメリカのノードストロームのような顧客満足、ユニクロのようなスピード経営、リクルートのような社風形成」とベンチマークしたことがあり、各企業研究を徹底的にしたことがありました。別にマネをするということではなく、参考にできるものは参考にした方が得だと思いませんか?
以前物事を習得するときに武道の「守・破・離」の話をしましたが、まずはマネてみて、次に自分なりに変化を加えて、最後に自分独自のものを作れば早いものです。どんどん、本を読んだり、セミナーに参加したり、人と話したりして、レバレッジをかけて、素晴らしい人生・仕事を成し遂げてください。
その一つとして私のセミナーや著書を活用してもらえたら、この上ない喜びです(笑)。
文=嶋津良智(しまづよしのり)
株式会社リーダーズアカデミー代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.235(2013年06月03日発行)」に掲載されたものです。