2013年6月17日
Q.Singapore Business Federationから入会の案内を受け取りました。これは、どのような団体でしょうか。また、会員になる必要があるのでしょうか。
シンガポール事業連盟(SBF)について
ingapore Business Federation(SBF、シンガポール事業連盟)は、日本でいう商工会議所のような経済団体で、元々存在したSingapore Federation of Chambers of Commerce and Industryを前身として、2002年にSingapore Business Federation Act(SBF法)に基づき設立されました。その目的は、主としてシンガポールにおける経済界の組織化を促進し、また、国内外における投資、貿易、労働問題といった経済関連の問題についてシンガポールの商工業者の声を代表して活動することにあります。現在、SBFには18,000社以上の会社が会員として登録されています。
会員には、法定会員、組織会員、補助会員の3種類があります。
- 法定会員
シンガポールで設立された会社および外国会社のシンガポール支店のうち払込済資本金が50万Sドル以上の会社は、SBF法により法定会員として加入することが義務づけられています。法定会員の年会費は、払込済資本金の金額に応じて300~800Sドルの範囲で定められています。会計法人監督庁(ACRA)に登記される払込済資本金の金額が50万Sドル以上になると、法定会員としてSBFから自動的に入会案内が送られてきます。入会案内を受け取った会社は、年会費を支払って入会せざるを得ません。 - 組織会員
シンガポールにある経済団体は、組織会員として加入することができます。現在、会員にはシンガポール日本商工会議所(JCCI)を含む国内外の商工会議所やシンガポール銀行業協会、シンガポールホテル協会、中小企業協会などが含まれています。組織会員の年会費は、一律2,000Sドルとされています。 - 準会員
上記の法定会員に該当しない会社および支店、または経済団体以外の団体、その他の国内外の会社または団体は、準会員として任意に加入することができます。準会員は、年会費に加えて入会金を支払わなければなりません。
法定会員のうち、1月1日から12月31日までの1年間を通して従業員を一切雇用していない会社は、翌年の年会費の免除を申請することができます。申請する場合には、所定の申請書に取締役が1月1日から12月31日まで従業員がいないことを宣誓して署名の上、以下のいずれかの文書と合わせて前年の11月30日までにSBFに提出しなければなりません。
- 直近の監査済財務報告書
- 免除私会社であることを証明する文書
- 設立後2年以内の会社に限り、直近の会社の決算書
- 公証人役場で認証を受けた取締役による法定宣誓書
SBFは、会員向けに以下のような様々なサービスを提供しています。
- 各種セミナー、会議、講演会、研修等の開催
- 海外への経済使節団の派遣
- シンガポールにおける事業パートナーを探す海外企業の仲介
- 企業経営者間の交流のための会合の開催
- シンガポールを訪問する各国の通商団体、外交関係者との会合の設定
- 会報の発行
- 会員による他会員向けの自社紹介および宣伝のためのウェブサイトの運営
取材協力=斯波澄子(Tricor Singapore Pte. Ltd.)
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.236(2013年06月17日発行)」に掲載されたものです。
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な会計士の助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。