ニッポン発ERP「A.S.I.A.(エイジア)」が海外拠点を統合、グループ経営の基盤を固める理想のグローバル・グループ経営システムを実現する。
日本企業のグローバル化は、恒常的な円高傾向によるコスト高や国際競争力の激化から、販売のみならず製造やサービスに至るまで世界的な規模で急速に進んでいる。
このような時代の流れの中、日本の本社と海外拠点は、日々の会計管理、生産や販売状況を密にやり取りしながら、全体をマネージメントすることが重要だ。とはいえ、会計報告一つ作成するにも言語や商習慣の異なる海外と本社のやりとりで、日々頭を痛める管理者は多いはず。海外拠点の管理を一つ間違うとグループ企業全体の利益に大きく影響する。
それを知りつつ、「未だに手作業に近い管理手法がとられ、経理情報の実態は長年勤めているローカルの経理担当者しかわからない状態にある。月に一度本社の経理担当者がわざわざ現地に足を運び掌握している企業が意外にも多いんですよ。」とエイジアン・パートナーズ・シンガポール現地法人責任者の保坂氏は言う。グループ経営と言われる中で、海外子会社の業績状況をリアルタイムに、本社及び現地会社が十分に把握できていない現状に驚かされる。
「A.S.I.A.」とは海外拠点を含めたグループ経営を目指す企業向けの統合業務パッケージシステムで、マルチ通貨、マルチ言語で世界各国の会計制度や商習慣に対応した稀なるグローバルERPシステムだ。会計管理の他に、物流系、生産管理といった経営そのものに必要な情報を包括する。「従来の欧米主導で標準化されたERPシステムを日本用または自社用にカスタムメイドする発想は、日本企業にとって膨大なコストと手間がかかります。また、決して使いやすいものになるとはいえません。その点「A.S.I.A.」は純国産で、日本のきめ細かい業務習慣に対応するだけでなく、既にマルチな基準を装備しているため、海外拠点においてもスムーズに短期間で導入できます。費用面でも、スーツの価格以上に寸法直しがかかるようなことはありません。」と保坂氏はその特徴を語る。
1995年以来、ユーザとノウハウを共有しつつ製品の開発改良を重ねている進化形のソフトウェアである。誰もが使いこなせるような汎用性があるのも特徴で、全てのデータがエクセルで加工できるというのも嬉しい。
エイジアン・パートナーズ社(NTTデータ・住友商事資本参加)は、この「A.S.I.A.」の開発、販売、導入、運用後のサポートをワンストップで対応する。国際展開を図る日本企業の海外拠点で数多くの成功事例を挙げ、現在注目されている企業だ。
上海、バンコク、シンガポールとアジア主要の拠点にはエイジアン・パートナーズの現地法人があり、ユーザ企業のためのサポート体制があるのも心強い。「開発ベンダーでありながら、販売やサポートを行う拠点を海外に構え、日本人が日系企業のサポートができる日系企業はエイジアン・パートナーズだけです。」と保坂氏は言い切る。
それにしても、これだけのシステムを取り扱うスペシャリストはかなりの精鋭達に違いない。「人材育成の苦労はおおきいですね」と2003年にシンガポール現地法人を立ち上げたときの苦労を振り返る。「お客様の業務の中に入り込んだコンサルテーションをするように常に言っています。お客様が既にシステムを導入していたとしても100%完璧に利用できているソフトウェアはない。我々が付加価値を与えることができるヒアリング力とそれを解決できる提案力が営業においても、コンサルティングにおいても鍵です」。若い有能な社員に恵まれつつあるが、自社内で自ら勉強会を開くなど、日々社員の能力向上にも余念がない。高い開発力でどれほどいいソフトウェアがあったとしても、それを企画、提案、サービスできる人材がなければ意味がない。日本発グローバルブランドとして世界に発信するという保坂氏の思いを実現するのに欠かせない要素だ。「市場シェアでナンバーワンになるのが目的ではなく、満足度が高く長くお付き合いできるその企業にとってのオンリーワンを目指す」そんな保坂氏のポリシーが人材育成にも見える気がした。
バドミントンでは全国大会出場経験もある保坂氏。シンガポール、マレーシア、インドネシアは日本に比べ、仕事ありきというより人間関係からビジネスに発展することが多々あることを実感したという。多忙な中、シンガポールでゴルフを始めたのもそのせいだと笑う。シンガポールにおいて、このヒューマンな一面が的確なデータを元に今後加速するマーケットの拡大にブレのない経営判断をする条件であるということを大義に示唆する如く、である。