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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年4月4日

営業力編 第2回  選ばれる営業が持つべき「4つの自信」

前回お伝えしたように、今の時代の営業で大切なことは、「売り込む」ためではなく、「選ばれる」ための営業スタイルです。そのためには、「いかにお客様と『相思相愛』の信頼関係を築くか」が非常に重要となります。

 

信頼関係を構築するためのポイントは、以下に挙げる「3つの極意」です。
1. 4つの自信を持つ
2. 顧客とのコミュニケーションを密にする
3. 自分の商品価値を高める
今回はその極意の1つである「4つの自信を持つ」ことについてお伝えします。

 

まずは、「4つの自信」とは何に対するものなのかをご紹介しましょう。自分にとっての「4つの自信」の対象を具体的に考えながら読み進めてみてください。

 

①自分の経営している(または所属している)会社に対する自信
あなたは、自分の会社のどこに魅力を感じていますか? 例えば「創業者の想いや目指す方向性が素晴らしい」であるとか、「社員が常に顧客の利益を最優先に考えて行動しており、企業理念を体現している」など、自社に圧倒的な自信と誇りを持つことが、自分たちの存在意義を明確にすることにつながります。そんな自信にあふれた会社を顧客は選びたくなるものです。
逆に、近年における会社の不祥事が内部告発から発覚しているように、社員が自信を持てない会社は顧客に選ばれないどころか、存続も難しいでしょう。

 

②自分の取り扱っている商品やサービスに対する自信
商品やサービスを通して、「必ず顧客の役に立つ」「多くの顧客を幸せにできる」「社会に絶対に必要とされている」という圧倒的な自信を持つことです。その商品は何のために生み出されたのか、その商品を通じてどんな人たちを救い幸せにすることができるのか、なぜ自分はその商品やサービスを取り扱っているのか、という理由が明確になるほど、顧客に選ばれる理由が増えていきます。
商品やサービスは何もしなければただの無機質な対象ですが、魂を吹き込むことにより「生きもの」となります。そんな商品を顧客は選びたいものなのです。

 

③自分の職業に対する自信
なぜ自分がこの仕事をしているのか、自分はこの職業を通じてどんな人たちに貢献していきたいのか、この仕事でどこを目指しているのか、という明確な目的や理由を持つことが大切です。言い換えると「強い使命感を持つ」ということになります。使命感が顧客に伝われば、その使命感に顧客は心を打たれ、多くの営業マンの中からあなたを選びたくなるのです。

 

④自分自身に対する自信
常に自分を信じることができれば、必ず道は開けます。そのためには、日々の自分との約束を守り、それを積み重ねて「自分なら必ずできる」と自分で自分を強く信じられるようになることが必要です。顧客は自分に自信を持っている人を選びたいものなのです。

 

「4つの自信」を顧客の特徴やタイプに合わせてしっかりと語ることができれば、あなたへの信頼はぐっと高まるでしょう。あなたを信頼し応援してくれる人が増え、彼らが新たな顧客を紹介してくれるかもしれません。また、その時は商品を購入しなかったとしても、自信に満ちたあなたの姿は顧客の記憶に残り、いざ必要になったときには顧客からあなたに声がかかることもあるはずです。

 

顧客に選ばれる理由は1つでも多いに越したことはありません。まずはぜひ、できるだけ多くの「自信」を考え出してみてください。

295_bizcolumn小林 一光(こばやし いっこう)
株 式会社アイ・タッグ代表取締役。プルデンシャル生命在籍時に営業マンとして売上日本一、マネージャーとしてチーム日本一という偉業を達成。現在は研修・講 演・執筆活動を通じて、結果を出す人材や企業を輩出している。主な著書に『世界最高位のトップセールスマンが教える営業でいちばん大切なこと』『チームで 最高の結果を出すマネジャーの習慣』など。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.299(2016年4月4日発行)」に掲載されたものです。

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