2016年7月18日
ソニック(SONIC CORPORATION)超音波を活用した計測機器 東南アジア諸国で幅広く展開
風速計や波高計、魚群探知機など、各種計測機器の製造・販売を手掛けるソニックは今年4月、同社初の海外拠点としてシンガポール駐在員事務所を開設した。主な業務は東南アジアにおけるマーケティング業務。数年後には現地法人化も視野に入れており、機器の保守品をストックしたり、アフターサービスのための人材を日本から派遣したりすることで、同地域でのカスタマー対応力を強化していく考えだ。
1948年設立の海上電機から、計測機器事業を2003年に分社化する形で設立された同社。海上電機は、もともと軍事用に使われていた潜水艦用ソナーの技術を活用し、魚群探知機などを展開してきた。
ソニックの事業セグメントは①風向・風速計など気象機器②波高計など海象機器③魚群探知機など水産機器④流量計(配管内で流れる液体・気体の量を計測する機器)など工業機器――の4つからなり、このうち水産機器は、代理店を通じすでに中国、台湾、ベトナムなどで販売している。今後は東南アジアやオセアニアへのアクセスが良好なシンガポール拠点を通じ、他の3部門のビジネスチャンスなどについて調査する。
同駐在員事務所の北村康司氏によると、東南アジアやオセアニア方面では、ODA(政府開発援助)関連の需要が見込めるという。これまで、バヌアツには津波を検知するための波高計、マレーシアには国土面積を測定するための潮位計をそれぞれODA案件として納入してきた。
今後のニーズについてはこう話す。「東南アジアでは太陽光や風力発電など、再生可能エネルギー関連の設備投資が活発で、特にフィリピンでは風力発電のプロジェクトが多くあります。風力発電を行う場合、その場所で風がどのくらい吹くのか事前に調査することが多く、風向・風速計の需要が見込まれます」
ヘイズ(煙害)が問題になっているシンガポールでも、その影響を調査するために風向・風速計の需要があるのではないかとの見方。このほか、ジュロン島にある化学プラントや、タイやマレーシアの工業団地向けに、流量計のニーズについて調査する方針という。