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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年10月3日

営業力編 第5回 自分の商品価値を高めるためには(前編)

これまでお伝えしてきた信頼関係を構築するための「3つの極意(4つの自信を持つ、顧客とのコミュニケーションを密にする、自分の商品価値を高める)」について、今回は最後のポイント「自分の商品価値を高める」ことについてお話しします。

 

自分の商品価値とは一体何のことか?と思われる方もいるかも知れません。まず、営業において「最大の商品は自分である」と理解することが大切です。自分が商品であるならば、自分の商品価値をいかに高めるかが重要なポイントであることがお分かりいただけると思います。
ではどうやって自分の商品価値を高めるのか。それは「ビジネス力」と「人間力」を磨くことです。ビジネス力とは、簡単にいえば知識やスキル、ビジネスマナーといった、業務で最も大切とされる技術と心構えといえます。これは日々仕事をしていく中で意識することであり、常に努力をされている方も多いと思います。

 

一方で、人間力を高めるということにフォーカスされている方は意外と少ないのではないか、と感じています。人間力とは言い換えると、その人の魅力、または人を惹きつける力でもあり、人としての在り方そのものといえます。
そして、その人間力を高めることとは、「心を高める」ことに他なりません。つまりは、「人としてどう在るべきか」を常に自分に問いかけ、日々自分を磨き続けることが大切なのです。それを追及していくと哲学的な考え方につながります。哲学とは人として守るべきルール、すなわち「法律」ではなく人としてどう生きるのかという、何千年も続く「法則」だと私は理解しています。

 

例えばある決断を迫られたとき、目先の「損得」に惑わされず、いかに「善悪」で判断できるかどうかはとても重要です。日々自分磨きをしていないと、つい「自分さえよければ」といったその時の目先の「我欲」や「自我」といった欲望だけで判断してしまい、その結果、大きな信頼を失うということもあります。こういったことからも、普段から心を高める意識を持ち、人としてどう在るべきかを考えて行動することはとても大切だといえるのです。

 

では具体的に「心」を磨くために一体どのようなことをしたらいいのでしょうか。参考までに、私が常に意識していることを簡単にまとめてみました。
1. 利他の実践を心がけること。「お先にどうぞ」の精神で、常に自分のことより相手のことを優先して考えて行動する。

2. 誠実な言動を意識すること。決して嘘はつかないこと。

3. 何ごとにも感謝し、常に謙虚な姿勢を心掛けること。

4. 一つ一つの出会いに感謝し、一期一会の精神を大切にすること。

5. 常に反省する心を持つこと。

6. 失敗を恐れず、常にチャレンジすること。

7. 誰も見ていない時こそ、常に自分を律した行動で努力精進を続けること。

8. 無意識のうちに取る考え方や行動の癖やパターンを知り、自分を信じて行動すること。

 

これらのことを日々できるだけ意識しながら、地味に地道に行動を続けることができれば、結果として「心」を高め、人間的な魅力を生み、自分の商品価値を高めることにつながるでしょう。

 

295_bizcolumn小林 一光(こばやし いっこう)
株式会社アイ・タッグ代表取締役。プルデンシャル生命在籍時に営業マンとして売上日本一、マネージャーとしてチーム日本一という偉業を達成。現在は研修・講演・執筆活動を通じて、結果を出す人材や企業を輩出している。主な著書に『世界最高位のトップセールスマンが教える営業でいちばん大切なこと』『チームで最高の結果を出すマネジャーの習慣』など。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.311(2016年10月3日発行)」に掲載されたものです。

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