シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP福岡発、コワーキング&コミュニティスペースを提供する「The C...

新規進出企業レポート

2019年3月25日

福岡発、コワーキング&コミュニティスペースを提供する「The Company」シンガポールへ上陸


 
 ゼロテンパークが運営するプロジェクト創生型ワークスペース&コミュニティ「The Company SINGAPORE(ザ・カンパニー シンガポール」が2018年11月にオープンした。 日本国内2拠点(ともに福岡)に加え、セブ2拠点、ホノルル、バンコクと世界に7店舗を展開。4月のThe Company中洲川端オープンを控え、ワークリンクとマルチロケーション――単なる空間のシェアにとどまらない新しいコミュニティ作りを掲げ、仲間を作り、仕事を造りだす。 新時代の幕開けを目前に、「The Company」が新しい働き方を提案する。

 

「イノベーションを興す場」としてのコワーキングスペース


 
 東南アジアの統括拠点として世界各国から企業が集まるシンガポールだが、不動産の高止まりで未活用スペースが増加。これを有効活用していこうと注目を集めているのがシェアオフィスビジネスで、近年活況に沸いている。ハブ優位性による進出企業増加の一方で、オフィスのランニングコストを抑えるべく、個人やスタートアップ企業だけでなく大企業の利用も増えてきた。リモートワーカーの増加、モバイルワーカーの台頭による就業環境の変化も追い風で、利用料金が割安になり、短期間で も借りられる上、異業種の人たちと幅広くネットワーキングできるコワーキングスペースとしての魅力も人気が集まっている要因である。
 
 2011年に会社設立した福岡博多の株式会社Zero-Ten(ゼロテン)もその波に乗った会社の一つ。ただ、設立の動機は独特だ。「もともとは映像やイベントなどの制作会社で、パブリックアートなど芸術的な、クリエイティブなものを作りたいという考えで設立されました。ただ、成長するにつれ、段々と請け負う仕事の規模が大きくなり、外注が増えた。外部に依頼するなら、一つのコミュニティを作ってその中で仕事を回していけたら、会社としてもっと成長するのではないか。フリーランス、外注先ももっと潤うのではないか、と考えたのが始まりです」と大坪氏は語る。単なるオフィスシェアではなくて、コミュニティ作りの場、仕事やプロジェクトを獲得するワークスペース作りというテーマが根底にある。「集まった会社が、新しいイノベーションを生み出せるように。ここで生まれたものを世界に広めたい。メンバー間の様々な企業とのマッチングからスタートアップのためのネットワーク作りもあります」とバックアップ体制は万全。また、メンバー登録をしたら、全店舗利用できるマルチロケーションシステムが人気で、「どこにいっても仲間と繋がることも強みですが、一番大きいのは日本とのつながり。特に福岡は街が急成長していて、今、日本でスタートアップするなら福岡といわれるくらい、新しいモノを生む街として注目が集まっている。国内だけでなく、中国や韓国からも移住者が集まるブームぶりです。ここを拠点にして、世界へつなげていきたい」と福岡にかける想いは大きい。

長居したくなる快適さ、
ラウンジのような落ち着いた環境


 
 オフィス入ってすぐのラウンジエリアは、京都発のコーヒーショップ 「Kurasu」を併設。イベントスペースとしての利用も可能だ。ロケーションもラッフルズホテルに隣接したCBDエリアにあり、最寄り駅のシティ・ホールまで歩いて5分だ。
 
 同社独自のSNSを駆使、メンバーだけでなく外部とのコミュニティイベ ントやセミナーも開催。「メンバーはファミリーであり同僚。現在、国内外で約360社、750人のメンバーが利用し、情報をシェアしながら新しいものを作り出し、世の中に送り出しています。いろんな『個』が集まって、大企業のような仕事をしていく、だから『The Company』なのです」。時代は、効率的、かつ生産性を高めて働ける局面に突入しつつある。プロデュース型プロパティビジネスとして新たな風穴となるか、期待が高まる。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.344(2019年4月1日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP福岡発、コワーキング&コミュニティスペースを提供する「The C...