2020年5月18日
SafeEntry (入退場記録システム) の義務化 ~サーキットブレーカー後の対応に向けて~
SafeEntryとは
今回開発されたデジタルツールは、国民身分証 NRICや外国人身分特定番号 FINを保有するシンガポール居住者に対して、いざ感染が確認された時にすぐその動向が追跡できるよう、逐一訪問した場所を記録するようにデザインされたものです。その名もSafe Entry。既に10,000以上の企業が導入したと報じられています。
仕組みと使い方
仕組みは勤怠管理の出勤・退勤時間管理ソフトと似て、場所の情報が記録されたQRコードを訪問者がスマートフォンで読み取る(QRコード読み取りアプリは任意のもので可能)ことにより、シンガポール内の各個人がいつ、どこを訪れたかが記録されるようになっています。
このQRコードの発行は企業側が行うもので、専用サイトからCorpPassを用いれば直ぐに実行することができ、発行後にはメールでQRコードのJPEG画像が届けられます。
QRコードを読み取り、ブラウザを開くと、すぐに場所の名前が表示され、「CHECK IN」または「CHECK OUT」をタップする画面になります。タップすると次には個人情報の入力画面になります。
必要な個人情報
個人の特定のために用いられるのは以下の3点です。
・氏名
・NRIC/FIN番号
・携帯電話番号
これらの情報は感染者が判明した際に迅速かつ効果的に濃厚接触者を割り出し、連絡を入れるために必要です。シンガポール居住者としてSingPassの発行を受けている方であれば、SingPassを使ってログインすることにより、入力の手間なく手続きが可能です。
※詳細情報はこちらのサイトから確認できます。
SingPassとは
SingPassとは政府のオンラインサービス利用時に必要な共通ID/パスワードシステムです。
登録することで入口に掲げられたQRコードを読み込む「SafeEntry with QR」の利用時、個人情報のマニュアル入力の手間が省けます。
SingPassの登録はこちらのサイトから行います。
SafeEntryの施行ルール
Safe Entryは、実質的にはQRコードを読み取って、その場所を訪れた訪問者のデータを記録していくものです。従って、訪問される場所にはその場所の情報が読み取れるQRコードが掲載されている必要があります。
現状、政府より許可を受けて営業している必要不可欠なサービス提供者(Essential service providers)の企業は、製造、流通、小売、サービスの別を問わず、従業員の出退勤に関して工場、店舗等への行き来を記録させるため、Safe EntryのQRコードを全ての従業員が目につく場所に掲載しなければなりません。
また、顧客が訪れる可能性のある飲食店やスーパーなどの施設でも、訪問客全員が漏れなくQRコードを読み取って記録を残すよう、目立つ場所にQRコードを貼り、人員を配備して記録履行の徹底を図る必要があります。
必要不可欠なサービス提供者だけではありません。5月12日からはオフィスを含む特定の場所で営業される全てのビジネスにつき、同様にQRコードで各個人の移動を記録する義務が生じると通達されています。
従って、シンガポールでオフィスを持って活動するすべての企業は、CorpPassでログインしてQRコードを作成し、見やすい場所に掲示して、従業員、訪問者などが漏れなく移動を記録するよう、細心の注意を払う必要があります。尚、MRTの駅など公共施設についてはその流動性の高さから移動の記録は義務化されない方針ですが、できる限り記録を残すことが推奨されています。
シンガポールは国を挙げて国民全員で危機を乗り越えようという強い意志を持っています。企業をはじめとして皆がこれに従い、社会全体で協力してコロナウイルスの感染を遮断することが、一日も早く企業活動が勢いを取り戻すために、今求められていると言えるでしょう。
Tokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.
【参考URL】
https://www.ndi-api.gov.sg/safeentry
https://www.safeentry.gov.sg/
https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/easing-the-tighter-circuit-breaker-measures-preparing-for-gradual-resumption-of-activity-after-1-june
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