「『克己心』という言葉を意識するようにしています。どんなことも自分との闘いです」と話す日浦さんは新潟市生まれ、神奈川県育ち。「両親が国際交流に積極的で、様々な国の人をホームステイで受け入れていた」という家庭環境に育ったこともあり、自身も小・中学生時にそれぞれ1ヵ月間米国ユタ州でホームステイ、高校生の時に交換留学制度を使って米国ボストンでの生活を1年間経験。2003年に大学を卒業し、北海道の国営公園でパークレンジャーとして勤務、林間学校など野外教育プログラムに参加する子どもたちに炊事や、テントの張り方を教えたり、キャンプファイヤーをする日々を送った。
転機が訪れたのは27歳のとき。公園が会計監査を受けた際、担当した会計士の仕事ぶりに鮮烈な印象を受けたという。「直感的に格好良いなと。もともと、いつかは海外で働きたい、多くの人に関わっていたいという2つの気持ちがあったわけですが、会計士になれば両方叶えられるとも思いました」。一念発起してパークレンジャーを退職。公認会計士試験に専念し、1日14時間、1年半の猛勉強で合格を勝ち取った。
大手監査法人の札幌事務所に勤務した後、2014年に系列のシンガポール事務所に現地採用で飛び込んだ。「たまたまポストに空きがあったというのがシンガポールとの縁だったわけですが、この4年間で私自身も、家族も風土に馴染みました。今では日本からの便でチャンギ空港に着いても『帰ってきた』という気持ちになります」と笑顔を見せる。
Phoenix Accounting Singaporeに参画後は、マレーシアも含め日系企業の法人
設立、会計・税務支援、M&A、その他コンサルティング業務を担当する。「クライアントが本業に集中できるよう、クライアントの期待値を超えるバックアップをしていきたいです」。
プライベートでは、4歳の長女、1歳の長男の父親。日曜日は家族と過ごすことが多いと言う。お気に入りスポットはチャンギ・ビーチパーク。「飛行機の発着陸が間近で見えます。飽きないですね」。今後の目標は、中国語とマレー語の習得。「来年中には日常会話を」と新たな挑戦も始めている。
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