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花輪 陽子 さん

 「人生を振り返ると、ずっと1本の“お金”という線で繋がっています」。幼少期から株や不動産の話が飛び交う環境で育ち、昔から数字にも強いほうだった。大学で政治経済を学ぼうと考えたのも自然な流れで、卒業後は外資系の投資銀行に入社。債券の仕事に携わり、世界の金融最前線で学んだ。ファイナンシャル・プランナー(FP)で独り立ちしようと思い立ったのは、リーマンショックがきっかけ。長年籍を置いた部門が閉鎖となり、突然失業した。ちょうど同じ頃、夫の会社も黒字倒産し、悠々自適なDINKSからまさかの収入ゼロ生活。その頃、全米でベストセラーになっていFPのスージー・オーマンさんの本に出会った。大きな影響を受けて一念発起。CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士など資格を相次いで取得した。

 

 この時の苦労を本にしたのが『夫婦で年収600万円を目指す!二人で時代を生き抜くお金管理術』。「私たちの経験が誰かのお役に立てるなら」と思いのたけを言葉にした。これが大きな反響を呼び、重版を重ね5万部に。オフィシャルサイトも立ち上げ、紹介が紹介を呼び、執筆や講演依頼が相次ぐようになった。「メディアでの露出が増えても、基本的な姿勢は変わりません。どんな業界の大物が来ても、プロとして、その時、最適最善のアドバイス、提案をするだけです」とそのまなざしに揺らぎはない。

 

 渡星の話もこれまでのキャリアを考え躊躇した。だが、「情報の発信はどこからでもできる。新天地でもっとたくさんの新しいチャレンジができるかもしれない」と決断。今では、「世界一資産運用がしやすくて、投資家には快適な国」とシンガポールをアピールする。「(自分の)強みを見つけることは、成功への近道」。あらゆるケースに対応すべく日々勉強も怠らない。「今後日本の人口が減り続け、国として今の社会保障システムの維持が難しくなったら、シンガポールの金融商品は日本人の資産運用を救う」とアドバイスしてくれた。あふれんばかりのサービス精神が人を惹きつける魅力だろう。

 

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