2016年12月5日
繊細で健康的な懐石料理の世界 日本の四季をシンガポールで
YOKOWA
日本企業が数多く進出し、近年再開発が盛んなタンジョン・パガー駅から歩いて6分ほど。色鮮やかなショップハウスをリノベーションした店が立ち並ぶダクストンヒルを目指すと、大きな看板が目に飛び込んでくる。シンガポールで本物の懐石料理を提供している日本食レストラン「YOKOWA」だ。
YOKOWAの料理指導責任者を務めるのは、東京・広尾にある懐石料理の老舗「有栖川清水」の料理長を務めた立花秀明氏。「シンガポールでは日本食は独自の発展をしています。懐石料理の基本を押さえながら新しい挑戦をしていきたい」と意気込みを語る。


YOKOWAでは由緒正しい懐石料理をランチタイム限定の弁当で気軽に味わうことができる。また同レストランの看板メニューはおこわ。お店の名前は、このおこわに惚れ込んだ日本人と韓国人のハーフであるオーナーが「あなた(YOU)にも味わってほしい」という願いを込めて「Y+OKOWA」とし、それが現在の名前になったのこと。おこわはあっさりとした味付けで、もち米のしっかりした食感とともに素材の味をしっかりと感じることができる。
このほかのメニューも充実している。だし巻き卵は砂糖を入れない関西の正統派。甘みの強い味を好む東南アジアの人々に、ぜひ本場の味を知ってほしいと立花氏は話す。揚げ出し豆腐は小皿に様々な食材が盛り付けられた一品。素材を生かした丁寧な調理と癖のない味付けが魅力だ。


刺身は松竹梅の3コースを用意。日本から空輸した鮮魚を中心に新鮮な食材を取り揃える。見た目からも和を感じさせる皿は、全て日本でセレクトしたもの。日本の懐石料理の世界を、盛り付けとともに存分に楽しみたい。
「メニューは季節によって変わります。四季のないシンガポールでも、料理を通じて日本の季節を感じてほしい」と立花氏。ディナーコースには、おこわのほか刺し身や天ぷら、茶碗蒸しなどさまざまな日本料理を楽しめる雅膳(198Sドル)と月膳(158Sドル)、花膳(118Sドル)の3種類があり、鍋物も近く提供する予定とのこと。
YOKOWAでは美しく、繊細で健康的な懐石料理の世界をシンガポールで気軽に味わうことができる。テーブル席の個室もあり、座敷が苦手な人にもお勧めだ。懐石料理を通じて日本文化を紹介できる素晴らしい場になるだろう。

