2014年10月20日
ワンランク上の空の玄関口「CIPターミナル・ジェットキー」
世界の空港ランキングで過去2年連続1位に選ばれたチャンギ空港※1。しかし、3棟のメインターミナルとは別に、小さなターミナルが併設されていることはあまり知られていません。ベテランのタクシー運転手でも、ピンとくる人は少ないようです。ターミナル2に隣接した建物は、その名も「CIPターミナル・ジェットキー」、厳しいセキュリティゲートに守られていました。CIPとは、Commercial Important People(商業的重要人物)の略。隣にある政府要人専用のVIP施設(VIP Complex)とは違い、ビジネスリーダーやセレブリティ等、いわば富裕層向けのターミナルです。プライベートジェット機はもちろん、一般旅客機の乗客も利用できます。
利用者の航空会社も座席クラスも関係ない、ユニークなコンセプト
2006年にフランスと中国の企業の合弁会社、ジェットキー(Jet Quay)社により開設されたこの施設は、利便性やプライバシーを重要視するエリート層のための、アジア初の独立型でラグジュリーなターミナル。空港に数ある航空会社などの専用ラウンジとは違い、事前に予約して利用料を払えば、航空会社や座席クラスに関係なく利用可能です。専用カウンターでのチェックインから通関はもとより、搭乗ゲートまでリムジンまたはバギーでの案内、必要なら免税店で買い物代行も可能と、なんとも至れり尽くせりのサービス。
オープンから数年は、高い価格設定に金融危機が重なり、決して好調なスタートとは言えなかったそう。その後、価格の見直しや会員制の廃止、さらに経済回復基調に乗って2010年頃から利用者が増加。今では毎日約100〜150名のゲストが利用しているそうです。