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熱帯綺羅

2015年9月7日

シンガポール人の心を繋ぐ 生活の言語シングリッシュ

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賞金が当たったのか、新聞を見て興奮気味の女性。どんな言葉を当てはめよう? (『Huat ah!』–Zinkie Aw 写真集『Singaporelang – What the Singlish?』 より)

 

シンガポールの公用語は、マレー語、タミル語、華語(東南アジアで使われる標準的な中国語)、そして英語です。アジアでは数少ない英語を公用語としている国として、国際ビジネスの中心地の1つとなったシンガポール。振り返れば、英語の使用は、ラッフルズ卿が上陸した約200年前まで遡ります。やがて英語は民族を問わず日常的に話されるほどに定着し、マレー語やタミル語、福建語(中国の地方言語の1つ)などの影響を受け、独自の進化を遂げました。それがシンガポール口語英語、通称「シングリッシュ」です。

 

間違った英語? 特別な言語?

しかし、動詞の変化を省略するなどの文法の簡略化、発音の相違、英語由来でない特殊な表現などが問題視され、シングリッシュは外国人に理解されない、間違った英語だとみなされてきました。1999年に故リー・クアンユー元首相は、シングリッシュを「シンガポール人に負わせてはならないハンディキャップ」だと発言しています。2000年には当時の首相ゴー・チョクトン氏の提唱により「Speak Good English Movement(正しい英語を話そう運動)」が開始され、文法の間違いを正して「伝わる」英語を話すよう国民に呼びかけています。
こうした働きかけにもかかわらず、人々は自分たちだけの特別な言語としてシングリッシュを好んで使用してきました。今や日常の会話はシングリッシュ、仕事などの改まった場では「正しい」英語に切り替えるスタイルが一般的に。シンガポール人写真家、ズィンキー・アウさんもその1人です。

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