2018年11月28日
アッパートムソンロード
Upper Thomson Road(アッパートムソンロード)の教会『Church of Holly Spirit』手前のセブンイレブン周辺に、突如現れる小さなショップ群。シティからアッパートムソンロードを北上すると、緑豊かな景色を越えて突然広がるショップの数々と賑わう様子には、多少の驚きを隠せない。今回は、名前も特にないそのエリアをご紹介する。
新旧交ざりあう住宅街
交通量が多いアッパートムソンロード1を一本入れば、ジャラン……と名前のついた通りが並び、閑静な住宅街が広がる。高級でモダンなデザインの一戸建てから、ドアや窓を開け放して暮らす昔ながらの趣を残した一戸建てまで、さまざまな暮らし方が垣間見えて、興味深い。一方通行のジャラン・テルボック2には広い庭付きの一戸建てが続き、隣人が遊びに来て団欒する笑い声が聞こえて、生活音が心地よい。自分が存在していたわけではないが、まるで、昔のシンガポールにタイムスリップしたような、異なる時間軸を感じた。
よく見ると、この通りの家の持ち主の多くが、いろいろな種類の植物を植えて楽しんでいる。なるほど、近くに園芸店が多いわけだと納得。帰宅してから気になり、界隈の家の値段を調べてみたら、セミデタッチドハウス(二軒長屋)、土地面積2,000スクエアフィート(約56坪)くらいで2億5,000万円ほど。なかなかのお値段だ!アッパートムソンロードをもう少し北上すれば、2020年開設予定の新駅『アッパー・トムソン駅』予定地がある。きっと新駅開設前に、土地の値段が今後も上昇していくのであろう。
“ギャップ萌え”するショップエリア
このショップエリアの面白いところは、例えば、オーチャードやタングリンにありそうなお洒落なアイスクリームショップやケーキショップの隣には、エコノミーライスを売るホーカーがあるという、ギャップ。そのため、行き交う人の種類もさまざまだ。
まず、『Baker’s Brew』3というケーキショップ。カフェを併設したパラゴン店、またセンバワンにもショップがあり、アッパー・トムソン店にはカフェがなく、ベイキング教室スタジオが併設となっている。来店客のほとんどは近隣のローカルの人々。ケーキ・ベイキングクラスには日本人の生徒もいるとか。スタイリッシュな見た目のケーキの数々は、見ているだけで幸せな気持ちになる。
同じ並びに、行列ができるホーカーを発見。『Singapore Top Rated Foods 2017』のマークが目に止まる、『Beach Road Scissor Cut Curry Rice』4。セブンイレブンの店員さんに「この周辺で一番ご飯が美味しいお店は?」と聞いたら、迷わずこのお店という答えが返って来たが、納得。ローカル客や作業服を着た人々が次々に来店し、チキンを乗せたカレーライスを頬張っている。筆者も試してみたが、カレーが少し甘めでチキンがスプーンで切れるほど柔らかく、日本人好みの味だった。
ショップ街の裏側、高級住宅街の近くには洗濯物がむき出しの、このようなシンプルな集合住宅が5。これもまたギャップで、ショップエリアで感じた“高級感あるショップとホーカー“とのギャップと重なる。モダン・ノスタルジック、高級感・庶民的という対比が鮮やかなこのエリア。アッパートムソンロードを挟んだ逆側にも多くのショップがあり、数時間では周りきれない。みなさんもこのエリアを散策して、さらなるギャップを探してみてはいかが?
アッパー・トムソンのおすすめスポット
Udders Ice Cream
店の外からもお洒落感が伝わって来る、カフェっぽいアイスクリームショップ。木のぬくもり漂うインテリアに、フレンドリーなスタッフ。一番人気のフレーバーはドリアン。筆者にはにおいが強すぎて難しかったが、ほうじ茶、抹茶アイスクリームはさっぱりしていてオススメ。抹茶はわざわざ京都から輸入しているとか!質の良いスピーカーで、最新の洋楽が邪魔にならない程度にかかっており、リラックスできる。
246D Upper Thomson Road, Singapore 574370
https://www.udders.com.sg/
Tel: 6452 0803
写真・取材:舞 スーリ