2013年6月17日
『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦
1年ほど前にあらわれた、珍妙な格好ながらも、困っている人々を次々と助ける「ぽんぽこ仮面」(フジモトマサル氏のイラストが表紙になっています)。彼が跡継ぎに目をつけたのが筋金入りの怠け者、社会人2年目の小和田君。宵山(祇園祭前夜)にあたる、ある長い土曜日に京都で繰り広げられた物語。
新作の発表が止まって3年、ファンとしてはどうしたものかとやきもきしていたところに、ついに出ました。全国の非活動的文化系の星、森見登美彦の長編小説です。朝日新聞連載を全面改稿、内容もかなり変わっているそう。当時連載を追っていた方も楽しめるのではないでしょうか。また、違う作品を読んでいる方にはニヤリとできる仕掛けもあります。久しぶりの軽妙な語りを満喫してください!
朝日新聞出版社/ISBN:9784022507860
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.236(2013年06月17日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合