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シンガポール、オンライン上の偽情報対策で議会が特別委委員会、立法措置も

オンライン上の偽情報を取り締まる必要があるとして、シャンムガム法相・内相が10日、国会で特別委員会の設置を提案したのを受け、11人の議員が意見を述べ、採決の結果、野党議員を含め出席した80人全員の賛成で委員会設置が決まった。新たな立法措置につながる動きで、委員会は広く国民から意見を募る。

 

特別委の設置は2004年以来。シャンムガム氏はシンガポールが小国で、多民族国家であることを強調。「シンガポールは、内政に干渉し、社会を不安定にし、機構を弱体化させようとの、偽情報を用いた計画的活動の影響を受けやすい」と提案の理由を説明した。

 

厳格な立法には慎重な意見が出された。コク・ヘンリョン非公選議員は、意図的な偽情報と、偏ってはいるが合法的意見との線引きを明確にする必要があると指摘。また既存法でもオンライン上の偽情報に対処した条項があるとし、既存法の精査も委員会に求めた。

 

リー・ビーワー議員は、どのような措置が講じられるにせよ、野党や政府を批判する者を抑圧するものであってはならないと述べた。

 

フェアプライス首脳でもあるシア・キアンペン議員は2007年に起こった、フェアプライス店舗でハラル(イスラム教徒向け)豚肉が販売されているとのデマ事件を紹介した。

 

立法措置について「オンライン上の自由な言論を封じることになりかねない。また法律に頼りすぎると真実を見分ける能力が弱まる」と懸念を表明した。