2018年1月30日
シンガポール資本の海外不動産投資、過去最高の284億ドル
シンガポール企業による昨年の海外不動産投資は前年より40%多い284億米ドル(約3兆917億円)で、過去最高を更新した。世界各国の企業による国外への不動産投資でシンガポールは国・地域別で、米国、香港、中国、フランスに次ぐ5位だった。不動産情報の米系リアル・キャピタル・アナリティクス(RCA)が発表した。
米国の不動産に対するシンガポール企業による投資は95億米ドル(約1兆342億円)で、中国と香港企業による対米投資の合計(73億米ドル(約7,947億円))を上回った。シンガポールは国別の対米投資でカナダ、フランスに次ぐ3位。
外国投資の向かう先は、中央商業地区のオフィス、ホテル、住宅が多いが、シンガポール企業は、工業資産、郊外の集合住宅、学生寮、データセンターなどニッチ資産への投資が得意だ。
シンガポール企業のうち突出していたのはシンガポール政府投資公社(GIC)で、3件の巨額取引のすべてにかかわった。
シンガポール企業による最大の取引はGICによる住宅の取得で44億米ドル(約4,790億円)。GICは物流資産への投資が多かったが、最近は住宅への投資に比重をかけている。
2番目に大きな取引は11億米ドル(約1,198億円)での米学生寮の取得で、GICがカナダ年金ファンド、サイアン・グループと共同で買収した。取引額3位はGICによる米のオフィスビル買収で、約10億米ドル(約1,089億円)。GICは日本の不動産にも投資している。