2018年2月9日
シンガポール、昨年の世帯所得は9千ドル、低所得層は低い増加率
統計局が2月8日発表した昨年の家計調査によると、世帯所得の中央値は名目ベースで前年比2%増の月9,023Sドル(約73万8,660円)だった。物価上昇を考慮した実質では、1.5%の増加だった。
実質での所得増加率(世帯構成員1人当たり)は、所得下位50%の世帯が2.1~3.6%と比較的小さかった。下位50%の上に位置する40%の所得層の所得増加率は、3.7~4.5%と高かった。所得最上位10%の世帯の所得増加率は2.6%。
2012年から16年までの世帯所得増加率は、所得下位50%が年4.2~4.5%と、所得上位50%の2.2~4.2%を上回っていた。
所得格差を示すジニ計数は、0.458から0.459にわずかに上昇した。所得再分配を勘案した後の計数は0.401で、前年と同じ。ジニ計数は0~1表示で、0に近いほど格差が少ないことを示す。所得再分配は税制、社会保障制度などを通じ所得を公平にするための措置。居住者世帯は平均で、世帯員当たり4,433Sドル(約36.5万円)の配分を受けた。
リー・シェンロン首相は最近の国会答弁で、所得格差の拡大に言及したなかで、拡大を放置すれば社会の崩壊を招くと危機感を表明した。