2018年3月9日
SGXが金先物取引を中止、投資家の関心ゼロ
シンガポール取引所(SGX)は2014年10月に上場した金先物の取引を停止した。3月19日付で休眠商品とする。
政府は12年10月、金を含む貴金属を物品・サービス税(GST)の適用対象から外した。これを受けSGXは金取引センターとしての発展と価格決定権の確保を目指し、金先物を上場した。取引単位は25キロの延べ棒。
14年と15年はそれぞれ150ロットの取引があったが、16年は7ロットに急減。17年は1件の取引もなかった。
取引単位が大きいため、利用客が限定されたこと、SGXが顧客として想定していた多国籍銀行が、バランスシートを強化する必要に迫られ、金など商品取引から手を引いたこと、取引単位が1キロの市場に投資家が集まったことが主な理由だ。
シンガポールには金の店頭市場もある。SGXより経費が掛からず、決済、引き渡しも迅速で、投資家のヘッジニーズを満たす存在であり続けたことも影響した。