日本、シンガポール、カナダなど環太平洋経済連携協定(TPP)参加国のうち、撤退を表明した米国を除いた11カ国が3月8日、チリのサンティアゴで会合を持ち、当初案を修正した「包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」に署名した。
署名式後の会見でリム・フンキャン通産相(貿易担当)は「シンガポール企業のアジア太平洋諸国への参入がさらに容易になる」と語った。
CPTPP参加国の国内総生産(GDP)は計約10 兆米ドル(約1,067兆7,900億円)で、世界経済の13.5%を占める。人口5億人の市場だ。日本からは茂木敏充経済財政・再生相が署名に臨んだ。参加各国は今後、批准のための国内作業に着手する。協定の発効要件は11カ国のうち6カ国が国内の批准手続きを終えること。
シンガポール事業連盟(SBF)は、CPTPPでどのような事業機会がシンガポール企業、特に中小企業にもたらされるかを中心に、啓発活動を行うと発表した。
CPTPP参加国へのシンガポールの輸出は、過去5年間の実績で、輸出総額の20%余り。DBS銀行のエコノミストは、サービス面の参入が容易になるのがシンガポール企業にとり特にプラス、との分析を示した。
ほかの参加国は、メキシコ、豪州、ニュージーランド、チリ、ペルー、ブルネイ、マレーシア、ベトナム。発効後、CPTPPはほかの国の参加も受け入れる。