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シンガポール、通関後のコンテナ貨物の動き、アプリで監視

ジュロン港を運営するジュロン・ポートは下半期にも、西ゲートからシンガポールに入るコンテナ貨物を運送するトラックの動きを監視し、異常な行動を察知する動画分析技術を本格導入する。

 

このアプリケーション「エックストランスポート」は人工知能を使った追跡システムで、新進企業のエックスジェラボズが開発した。海事港湾庁(MPA)が昨年9月に実施したスマート技術コンテストで優勝し、ジュロン港での試験運用が決まった。

 

移民・検問庁(ICA)の検問所で検査を受けた後に、コンテナトラックが西ゲートを出るまでの間に迂回路をとらないかなど異常行動を追跡し、密輸たばこの混入など不法行為を監視する。

 

西ゲート経由でシンガポールに入るコンテナは年7万個余り。常時4人のICA職員が目視で作業を行っているが、視界の悪い雨の時やトラックが混雑している時は監視が困難だ。アプリは監視カメラがとらえた映像を分析し、異常な動きを見付けだす。

 

1月から始まった3カ月間の試験運用では、90%の精度が確認された。シンガポールに入ってきたコンテナは100万個余り(2016年実績)で、密輸たばこを忍び込ませたコンテナ摘発事件は2件だった。