ゲーミングデバイスの有力企業、レイザーは通信最大手シンガポール・テレコム(シングテル)とオンライン決済の領域で提携することで合意した。東南アジア全域で提携する。
両社は5月2日、域内のデジタル決済システムを相互に連結させる戦略的提携協定を交わした。互いに、加盟する100万余りの小売商へのアクセス権を与える。連結実施時期は未定。
シングテルのアーサー・ラン最高経営責任者(CEO、国際部門担当)は「補完的関係を構築できるため東南アジアから着手するが、ほかの地域での提携も視野に入れている」と語った。
レイザーはマウス、キーボードなどの周辺機器デバイスでヒット商品を多数生み出しているシンガポールと米カリフォルニア州を拠点とする企業で、香港に上場している。創業者のタン・ミンリャンCEOは、シンガポールは市場として若い点が魅力だと語った。
レイザーは決済サービス業者MOLグローバルの買収を提案しており、5月10日に契約が成立する予定だ。MOLは昨年、11億米ドル(約1,208億円)相当の取引を処理した。
レイザー独自の仮想クレジットの利用者は400万人。シングテルのモバイル財布利用者は東南アジアで5,000万人いる。
域内のデジタル決済は細分化されているが、ラン、タン両氏は、両社の決済ネットワークの連結は細分化への回答と述べ、統合に向けイニチアチブを握る考えを示した。