自転車シェアリングのオーバイクは6月25日、シンガポールでのサービスをやめると発表した。駐輪に関する法改定で導入される予定の規制を満たすのが困難というのが表向きの理由だが、収入が経費に追い付かず資金繰りがつかないのが本当の理由のようだ。オーバイクは2週間前には豪州から撤退していた。
オーバイクはシンガポール生まれの企業。昨年1月、サービスを開始したが、昨年度の売上高は91万Sドルで、425万Sドル(約3億4,100万円)の赤字を計上。約1,100万Sドル(約8億8,450億円)の債務超過に陥っている。
雇用したPR会社、および無法駐輪自転車の回収を委託した業者への支払いも数カ月怠っている。
駐車・駐輪場法改定案では、自転車シェアリング業者は見境なく駐輪する利用者の情報を同業者と共有しなければならない。
また自転車シェアリングは陸運庁(LTA)からの免許取得が必要になるが、自転車1台当たり60Sドル(免許料と証拠金がそれぞれ30Sドル)の納付を求められるもようだ。
中国系オーフォーとモーバイク、シンガポール資本のエニーホイールとSGバイクは免許を申請する方針だ。
NUS(シンガポール国立大学)・LTA運輸研究センターのリー・ダーホーン所長は「シェアリング業者の収入はわずかで、経費を賄えない。ほかの業者も撤退の可能性がある」と述べた。