シンガポール財務省は6月28日、物品・サービス税(GST)法改定案を公表した。税の執行官である内国歳入庁(IRAS)職員の権限を大きくしたのが核心で、シンガポールでオンラインサービスを提供する外国企業への課税についても規定している。
改定案では、重大な税務犯罪の場合、IRAS職員は宅内を強制捜査し、令状なしで容疑者を逮捕し、ボディーチェックを行うことができる。犯罪組織や手に負えない納税者の脅威に対処するためだという。
GST法違反では、販売業者がGSTをIRASに納めず逃亡した例、GST還付請求書を偽造した例があり、容疑者は証拠を隠滅したり、仲間と語らって口裏を合わせたりするという。
財務省の広報担当者は、改定案は英国、米国の税務当局に与えられている権限に沿ったものだと説明した。
GST詐欺では、2社の取締役だったチェン・ジュンクンとの名の男が投入税を過大計上し、また架空の取引を通じGST還付を不法請求した罪で8万Sドルの罰金を受けた例がある。
オンラインマーケットなどを通じシンガポール住民に商品・サービスを提供している、外国に拠点がある企業に対しては、2020年からGSTを適用する。それまでの間、IRASへの登録を外国企業に求め、GST徴収を義務付ける。
財務省は7月18日まで同案に対する意見を募集し、10月の国会に提出する。