2018年7月11日
シンガポール、ソブリンファンドの投資残高、過去最高の3千億ドル超に
国営投資会社テマセク・ホールディングスは7月10日、18年3月期の年次報告を公表した。投資残高は3,080億Sドル(約25兆2,400億円)で、初めて3,000億Sドル(約24兆5,800億円)を突破した。株主の投資利益率は12.19%という高さだった。
テマセクは上場企業株式に主に投資している。DBSグループ、中国平安保険、アリババ(阿里巴巴集団)への投資が残高増に特に貢献した。
3月期の新規投資額は290億Sドル(約2兆3,770億円)、売却した資産は160億Sドル(1兆3,100億円)。投資残高に占める国・地域別割合はシンガポールが最大で27%、中国が26%、中国以外のアジアが15%、北米が13%、欧州が9%。
テマセクは11年以降、テクノロジー、生命科学、アグリビジネス、ノンバンクによる金融サービス、消費財部門への投資を増やしており、昨年の投資のうち130億Sドル(1兆650億円)を占めた。
投資残高に占めるこれらの部門の割合は26%(額で800億Sドル(約6兆5,500億円))。未公開株など新興企業に対する投資は全体の3%。
投資から得た配当収入は90億Sドル、純利益は50%増の210億Sドル(約1兆7,200億円)だった。
テマセクは将来の投資決定に際し考慮する世界的潮流として、寿命の増加、富の増加、持続可能な生活、システムのスマート化、共有経済、全てがインターネットでつながるコネクテッド社会、の6つを挙げた。