豪州系物流大手のトール・グループは7月18日、2億2,800万Sドル(約188億円)を投じトゥアスに建設した物流ハブ「トール・シティー」を開所した。マレーシアとの連絡橋に近い立地で、延べ床面積は10万平方メートル。トールのアジア太平洋地域ネットワークが拡大される。
革新的技術を多用したのが特徴で、倉庫内の貨物移動にフォークリフトではなく無人飛行機や自律運転車両を利用する。自律車両は24時間運転が可能で、労働力を削減できる。
ヘルスケアハブにはスマート収納棚を採用した。在庫データをリアルタイムで管理しているため、在庫補充が必要な段階になると、システムが自動的に補充を指示する。
指示は貯蔵庫に送られ、光を用い従業員を誘導するため人為的ミスが減らせるという。ほかにも多くの技術を取り入れており、ヘルスケアハブの床面積利用効率は40%、労働効率は30%高まるという。
トール・グローバル・ロジスティクスのパース社長は「シンガポール社会が高齢化するなか、ハブでは多様な技術を採用しているため、労働力は少なくて済み、早くて賢い作業がより少ない面積で可能だ」と述べた。
トール・グループは日本郵政グループが親会社。トール・シティーにはほかに、3次元プリンター能力、積載能力が通常の2倍のトレーラーなどがある。