シンガポール通産省は経済統計と並行して新進・新興企業に関する調査結果も公表した。2009年から16年にかけ、創業して5年以内の新興企業は雇用創出(増加から減少を引いた純増)が年2.7%だった。創業して6年かそれ以上の成熟企業の雇用創出はマイナス0.4%で、全体では2.3%の純増だった。
新興企業のうち、創業して間もない企業の方が、事業拡大の段階にある企業より雇用創出への貢献が大きかった。
新興の零細企業のうち、5年後も零細だった企業の割合は43%。一方、成熟企業のうち、同期間、零細だった企業の割合は68%と高かった。
新興企業のうち生き残りに成功した企業は従業員規模を拡大する割合が成熟企業より高く、創業5年で100人超の社員を抱えるまでになった企業も存在する。
新興企業のうち、成功を収めた企業の割合は01年以降、ほぼ変わっていない。1998年から2017年にかけ創業された企業は46万社で、成功したのは984社。通産省は、創業して6年以内に買収された、あるいは新規株式公開(IPO)を行った企業を成功例として数えた。
創業者に事業経験があること、輸出を手掛けていること、知的財産を所有していることが成功の要因だ。