2018年10月8日
シンガポール、中古HDB住宅、少数民族枠の成約で買い手不足の事態に
公営住宅(HDBフラット)の民族別配分を決めた「民族融合政策」(EIP)を複数の議員が国会で取り上げ世人の関心が集まっている。
HDBフラット所有者の民族別割合を規定した制度で、所有者が住宅を売却する場合も適用されるため、国民の多数を占める中国系人枠がいっぱいの場合、持ち主は中国系人以外の民族に所属する人に売らなければならない。
インド系人のビジェシュワリエさんは昨年10月、MRT駅近くの住宅棟にある26階のHDBフラット(5室)を、88万Sドル(約7,300万円)を想定し売り出したが、購入希望者がなかなか現れず、今年9月ようやく81万3,000Sドル(約6,748万円)で売却した。
好立地の住宅だったが、中国系人枠がいっぱいだったため、中国系人から問い合わせが複数あったものの、断るしかなかった。
EIPは特定の住宅棟、ブロックに特定の民族が偏ること防ぐための措置だ。リム・ビョーチュアン議員は、EIPの制約があるため中古HDBフラットを売却できない住民がいる場合、政府が買い上げることを提案したが、ローレンス・ウォン国家開発相は、EIPだけが問題ではないと拒否した。
2015年から17年までの間に当局になされた、EIP枠の適用免除は1,600件に上る。中国人枠以外の枠で売却された中古HDBフラットの取引価格は、同様の他のフラットより10%低い。