シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)は50億米ドルの運用を外部のファンド運用業者に委託すると発表した。投資先は株式非公開会社とインフラファンド。シンガポールでの業務を拡大、またはシンガポールに重要拠点を置く意欲のあるファンド業者に運用を任せる。
MASは既に、上場企業への投資で運用を外部のファンド運用業者に委託しており、ピーター・オン理事は11月13日のシンガポール・フィンテック・フェスティバルで、「国際的な資産運用業者がシンガポールに拠点を設ける成果があり、シンガポールの資産運用業も発展した」と語った。
運用を任された業者は自己の裁量で投資先を決めることができる。株式非公開会社とインフラに焦点を当てたのは、株式を上場しない道を選択する企業が増えていることと、域内でインフラ需要が旺盛なためだ。
ベイン・アンド・カンパニーの調査によれば、シンガポールを拠点とするプライベート・エクイティ・ファンドとベンチャーキャピタル業者が運用する資産は過去5年間、年28%のペースで増加し、1,900億Sドル(約15兆6,600億円)に達した。
オン氏は「東南アジアの潜在性を投資家がますます意識するようになっている証拠」と述べた。