2019年1月25日
軍事訓練中の俳優兵士の死亡、軍が訓練ペースの引き下げを指示
シンガポール国軍(SAF)の予備役兵士がニュージーランドにおける訓練中、死亡した事故を受け、メルビン・オン司令官は全ての部隊に対し、訓練のペースを下げるよう命令した。訓練、作戦が安全かを確認するための時間、余裕を持たせるためだ。
死亡したのは俳優のアロイシウス・パンさん。SAFの発表によると、パンさん(伍長)は1月19日、曲射砲の修理に別の2人とともに携わっていた。砲身を下ろし立てかける必要があったため砲身を下降させたところ、砲身と本体との間に挟まれ、肺、心臓、腎臓が損傷を受けた。
ゴー・シーホウ指揮官(少将)によると、作業場では砲身を下ろしても技術者が作業を行うだけのスペースがあるが、パンさんは下降する砲身を回避できなかったという。曲射砲は、弾丸が放物線軌道を描いて飛翔し目標を攻撃する大砲。
パンさんは病院に運ばれ、延命治療を受けたが、1月23日夜、死亡した。SAFによると、パンさんは武器技術者としての資格を持ち有能だった。既に兵役を終えており、今回は後備兵としての参加だった。
訓練、作戦行動中の兵士の死亡は2017年9月以降、5人目。安全再確認のためゴー少将はニュージーランドだけでなくシンガポールにおけるすべての訓練、保守作業について一時停止を指示した。訓練のテンポも緩める。