巨額の負債を抱え経営危機にある水処理大手、ハイフラックスは再建案を2月16日、高等裁判所に提出した。債権者、株主総会の同意を得た後に実行される。インドネシアの華人財閥サリム・グループと、エネルギー、不動産などを多角的に手掛ける同国のメドコ・グループの連合体、SMIインベストメンツが5億3,000万Sドル(約431億円)をハイフラックスに注入し、60%の株式を取得する。
ハイフラックス永久債、優先株の保有者3万4,000人は計9億Sドル(約732億円)の債権に対し、2,500万Sドル(約20億3,400万円)と10.26%の株式を受け取る。
ハイフラックスの負債は約30億Sドル(約2,440億円)。うち約7億Sドル(約569億円)は銀行からの借入金。約9億Sドル(約732億円)は、保証人などに生じた偶発債務で、3億Sドル(約244億円)弱が中期債券。これらの債権者は計2億3,200万Sドル(約189億円)の現金とハイフラックス株式27%の割り当てを受ける。
ハイフラックスの広報担当者によれば、再建計画が実行されれば債務はほぼゼロになり、2億5,800万Sドル(約210億円)の運転資本を手にし、再出発できるという。
創業者のオリビア・ラム最高経営責任者は持ち株(発行済み株式の34%)をすべて、永久債、優先株保有者に提供する。
ハイフラックスは水処理業者として急成長し、中国、インド、中東にも進出したが、アナリストによれば、借入金が膨らみすぎ、見通しも甘かったため、巨額を投じた脱塩・発電プラントの売却に失敗し、経営が傾いた。