通産省は北部スンガイ・カデュに農業・水産養殖団地を開発し、都市環境における農業と水産養殖技術のアジア地域ハブとして振興する。コー・ポークーン上級閣外相(通産担当)が予算審議で発表した。
敷地面積は18ヘクタールで、名称は「農食品イノベーションパーク」。2021年6月までに建設する。高層野菜栽培工場、昆虫養殖、家畜飼料工場や研究開発(R&D)活動を計画しており、企業を誘致する。
通産省によれば、農業関連事業を集積することで、食品残滓の堆肥利用、R&Dや加工施設の共同利用など企業間交流や相乗効果が期待できるという。
世界の食品・農業技術市場は年間5兆米ドル(約559兆3,000億円)規模。国土面積が狭いためシンガポールは食糧自給には関心がなかったが、最新技術を活用すれば限られた面積の土地でも農業は有望と判断。農業を振興する方針に転じた。食料自給率を高めるだけでなく、輸出も目指す。
農業のあり様も、日光を浴びながら汗を流す旧来の方法から、温室など限られたスペースで、水産養殖と組み合わせ殺虫剤不使用で野菜を栽培するといった、ハイテク農業に変貌しつつある。
政府は農家育成のため農業補助を行っている。職業学校のリパブリック・ポリテクニックでは都市環境農業技術の課程を導入した。