2019年4月2日
ネット上のうそ掲載・拡散を処罰、法案を上程
オンラインでのうそ・世論操作から国民を守るための法案が1日、国会に提出された。悪意をもって公共の利益を損なう虚言をネット上に掲載し広めた者は禁錮刑に処せられる。ソーシャルメディアなどネット上のプラットフォームを運営する者も、訂正文の掲載あるいはうそと認定された文章の削除など、うそが拡散しないための措置を速やかに講じなければならない。
公益には、国の安全保障、大衆の衛生・安全確保、近隣国との友好関係が含まれる。また選挙結果を左右するような虚言、政府を含む公共機関に対する信頼を低下させる虚言の流布を防ぐことも法案の狙いだ。
意見、批判、風刺、パロディーはこの法案で定義するうそ、虚言に含まれない。このためうそを伴わない政府批判は法の適用を受けず、「不平等の拡大は政府に責任がある」といった発言は法に触れない。しかし政府が近隣国と戦闘状態に入った事実がないのに、「政府は隣国に宣戦布告した」などの文章掲示は法に抵触する。
社会の安定を損なうつもりでうその拡散を図る悪意ある者は刑事罰の対象となり、最高10万Sドル(約818万円)の罰金か最長10年の禁錮、またはその両方を科せられる。故意でないワッツアップ上のメッセージの転送、またフェイスブックページのシェアは刑事罰に問われない。
ネットに掲載の情報が嘘か真実かは閣僚が判断し、情報通信・メディア開発庁(IMDA)の担当者の協力を得て対応策を講じる。閣僚の決定に不服の場合、その情報を掲載した者は高等裁判所に訴えることができ、裁判所決定が最終判断とされる。