職場の安全・衛生に関する10カ年計画の策定を委託された政労使3者委員会は5日、建築現場など職場で発生した死亡事故、重大事故を公開するウェブサイトの2年以内の開設など、シンガポールを世界で最も安全で衛生的な職場環境の国の一つにするための戦略を発表した。政府も受け入れを決めた。
人材開発省は、建設、海洋など危険を伴う作業が多い部門の事故情報から公開を始めるもようだ。また労災補償請求に関する情報を保険会社と共有する。企業の事故履歴を参考に、保険会社が保険料を調節できるようにするためだ。
10カ年計画は企業、労働者に考え方の変革を迫るもので、委員長を務めたシンガポール経営者連盟(SNEF)のジョン・ン副会長は「職場の安全・衛生(WSH)は費用の掛かるものと思っている経営者がいるが、ビジネスにとって良いことだということを理解する必要がある」と述べた。
現在、職場で死亡事故が発生するとオンライン上で公開される。ウェブサイト開設後は重大事故も公開対象になる。
職場での死亡は昨年までの3年間の平均値で10万人当たり1.4人。2028年までに同1人以下にすることを目指す。